「写植」を探求し続ける熱い男、桂光亮月さん_8月20日その2
前回(亮月写植室に行ってきました_8月20日その1)の続きです。
大阪DTPの勉強部屋、初めてのお泊まり勉強会、
「大阪DTPの勉強部屋サマースクール」と題した、
土岐市「亮月写植室」見学ツアーに行ってきました。
(続き…)BC組が写植室に行っている間、
勉強会会場のセラトピア土岐会議室で待機。
全体の見学が終わったのが5時半ごろ。予定をかなりオーバーか?
6時頃から、亮月さんの「写植」についての発表が始まった。
熱い男 桂光亮月さん
この男、本気だ。
いやぁ、熱すぎる。
話に引き込まれ、メモするのを忘れてしまっていたので、
写真にとったスライドから、できる限りまとめてみよう。
文字好きになったのは、お父さんの影響。
美大卒業で、アートディレクターをされていたそう。
お父さんが25歳の時にもらった雑誌『別冊アトリエ レタリングの実際と技法』が
印刷用文字に興味を持つきっかけになったそうだ。
この時、内容が日本画だったなら亮月さんの進む方向が違ってたのかもしれない。
私が歌謡曲好きになったのも、そういえば父親の影響だった。
趣味は父親の影響を受けるのかもしれない。
小学校の頃に書いた漫画『パンダ・うさの物語』の吹き出しには
写研の「記号BA-90」を真似た文字が描かれていたそうだ。
で中学校の誕生日プレゼントが写研の見本帳『写真植字 No.45』
これがなければ写植ファンにはなってなかったそうな。
で、この『写真植字』に掲載されている書体を眺めながら、
書籍などに使われている書体が何であるかを探したそうだ。
で、写研以外の文字というものがあるということに気がついた。
それが何であるかは、『VOW 1』が教えてくれた。
それは「モリサワ」と言うらしい…
大学に入っても、写植好きは止まらない。
写植関係のレポートを書いて、友人に送りつけたり(亮月さん談)、
大学の授業で、亮月製作所というホームページをつくったりと、
写植好きは加速していく。
友人と写植の見学をしたりしていたようだが、
亮月製作所のWebサイトが人との出会いを演出していく。
ホームページは2000年前後開設であるが、当時を懐かしむ人たちがサイトを訪れ、
最初は一見さんが多かったものの、ホームページでの活動を通して
写研のかた、フォントデザイナーのかたと出会い、
名古屋の杉山さん、的場さん、大阪の大石さん、えむさんなど
多くの文字好きと知り合えたのだ。
「写植機カタログ閲覧会」(亮月製作所)に「Hi-Fi文字盤」の説明あり
http://ryougetsu.net/report_etsuran.html
そんな亮月さんは言う。
「写植には血が通っていると思う。」
写植機の解体。
写植オペレータ歴30年の女性社長は涙を流した。
その場には、
「さ・よ・う・な・ら 写植機 PAVO-KY あ・り・が・と・う SHA-KEN」
と印字された印画紙が…
そういった場に遭遇した亮月さんだから分かる写植という一時代を築いた文化。
それを受け継ごうと考えられた亮月さんは本当にすばらしい方だと思う。
最後は、涙ぐんでおられたように見受けられた。
勉強会のスピーカーが涙ぐむ。こんな光景ありますか。
レポート書いている今も、少し涙ぐみそうになった。そんな発表。
今年、写研は電子出版EXPOで「フォント開放の試み」を発表した。
写研は彼の思い、彼らの思いをくみ取れるのだろうか。
熱い男がもう1人いた。
このサマースクール、ひとりひとり発表することになっていた。
亮月さんの後はきついなぁと思ったけど、加納さんが引き受けてくれた。
この方も、違う方面で熱い方だ。
活躍の場は“ウェブ”
普段は名古屋で仕事をされているが、
仕事の大半は東京。株式会社ソウサスと提携して仕事をされているそうだ。
東京在住のtwitterのフォロワーさんもご存じだったので、
ある方面では、有名な方に違いない。
加納さんは、日本語のウェブサイトを“文字”を通して美しく表現しようとしている、
“文字”の表現者のひとりだ。
「紙媒体の経験をウェブデザインに活かす」と題したセッションは、
美しく表現するために何が問題なのか?
また人的な面から考察し、ウェブデザイナーが何に縛られているのか?
を熱く語ってくださった。
ウェブとDTPは互いに対立しあってるようにも見える。
加納さんのように仲介できる人、
もしくは互いの仕事を理解すること
互いに学ばなくてはいけないことがこのセッションに集約していたように感じられる。
懇親会
この後は、近くの居酒屋で懇親会。
DTPや勉強会の話、写植や文字の話でもりあがった。
でも、びっくりしたのは亮月さんが「大石さんに聞きたいことリスト」を持参して
懇親会に望まれていたこと。この探求心。私も忘れてかけているような気がする。
8/21へ続く
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