文字を語る。仕事を語る_8月21日

前回(亮月写植室に行ってきました_8月20日その2)の続きです。
大阪DTPの勉強部屋、初めてのお泊まり勉強会、
大阪DTPの勉強部屋サマースクール」と題した、
土岐市「亮月写植室」見学ツアーに行ってきました。

(続き…)私は、文字関係のイベントやDTPのイベントに参加させていただくが、
楽しみのひとつが、好きなことを語る人を見ることだ。
私はそういう意味では、文字好きではなく、“文字好き”好きなのかもしれない。
今回の勉強会では、「私の仕事」というテーマで、参加者全員がセッションを行った。
仕事に不満はあったとしても、この仕事が好きなんだなぁという人たちが集まった。


セラトピア土岐会議室で待機中

21日の勉強会。最初の発表者は…

最初にくじを引いて、順番を決めた。
なんと1番は私。持ち時間は15分。
ぬぬ。今回の発表は、テーマから離れているんですが…
できれば中盤当たりが好かったなと思いつつも発表の場に。

私が発表したのは、
「出版の裏話T 書店をうまく利用する方法」と題した
リアル書店の魅力を再発見してもらおうという発表。
30分の予定で、最後時間が余ったら用のスライドも用意したので、
全然時間が足りなかったが、
途中で終わって良いように作っておいたので何とかなったかな…

http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2011082100018.html
ちょうどこの日発売の朝日新聞の書評『世界の夢の本屋さん』(清水玲奈、大原ケイ 著)
にあるように、世界の書店では面白い試みがなされている。
一方日本では… となるかもしれないが、気がついてない部分、
読者のために努力している書店があることを再認識してほしいという話。
マニアックにならないようかなり掘り下げた内容にしたので、
物足りないと感じた方もいたのでは…
私のセッションはそこまでとして…
あとは順不同で、発表者の感想など。

こぶたさんのレーシックのお話とその間に起きたトラブル。
発表なのに問いかけていくというスタイルは全員参加型の発表というか新鮮。
今後フリーで仕事をしていくかもしれない私には興味深い話だった。
特に、仕事ができない事態に陥ったときどうすればいいのか?
信頼する人に頼めば?とか話になるが、今回はその信頼していた人に裏切られた話だからなぁ
※写真取り忘れました… すいません

大石さんは、写研の写植書体である秀英明朝とモリサワの復刻初号秀英明朝を
オリジナルである秀英舎の秀英体初号活字と比べてその違いに迫るというお話。
写研の秀英明朝はオリジナルに近いがモリサワの復刻初号秀英明朝はかなり違う。
これは、読みやすさなどを考慮して大日本印刷側がてを入れたのだろうが、
これをどう判断するのかは難しい。特に髭付きについては… ぐにゅぐにゅ…


「秀英明朝」写研とモリサワの違い


「ぎ」「ギ」の違い

mashabowさんは、工学部の学生さんということもあって、
「その場で作ってみよう」というスタンスが面白かった。
今回は、参加者のみんなが10文字ずつ書いて、
それをデジカメでとって(本来は、スキャニングするそう)
1文字1文字ずつ切り分けてフォントにしてしまうという、
さしずめ文字の公開実験といったところ。
こういう参加型実験は忘れることが無いし、楽しい。


mashabowさんの発表(※名前は消しておきました)


文字を書いてフォントに


即席フォントのできあがり

ともちゃんさんは、今までの会社遍歴と今扱っている
技術系のマニュアルのライティングや編集のお話。
最後のほうでは、ご自身で書かれたイラストや応募作品など。
危険物取扱〜とかいろいろ資格も持っているらしい。
※また写真取り忘れました… すいません

るるるさんは、取説の組版工程を実際のデータを使って説明してくださった。
今回は、タグ付きテキスト。
タグ付きテキストのデータをExcelで管理する課程。
InDesignで読み込んだあとはスクリプトを使ってクライアントの指定に近づけていく。
ひとつ機能を使って全てをやりきるのではなく、
いろんな機能を組み合わせてある程度作り込んでしまう。
この考え方は、参考になる。


るるるさんはタグ付きテキストの実例を

うえきさんは、モリサワの写植教室で受けた授業のお話。
1級は1歯で0.25mmで、1歯の由来は何であるかといった説明。
行送りと行間の違いなど、今の組版を学ぶでも役立つ。
ところどころ大石さんからツッコミや質問が入ってましたがw


うえきさんはホワイトボードを使って発表

れれれのさんはRIPのお話。
印刷現場にはいないのでは全くついていけない話であるが、
印刷工程ではすごく重要であることは理解できた。
特に、実際にトラブルが起きた時の話などは興味深かった。
多分ここだけの話が多かったよう。


れれれのさんがRIPを語る

最後はえむさん。
時間が押していたので短かったが、
EdianからEDICOLORに至る過程、当時の組版ソフト、専用システムのお値段。
今、いかに恵まれた環境にあるのか。
逆に言えば、恵まれた環境にいることであぐらをかき、
勉強がおろそかになっていないかを考えさせられた。
そりゃあ、何百万もするソフト、システムを購入するとなったら、勉強しんといかんわな。
今は、そういった追い込まれた環境ではないんだろうな。


えむさんは組版ソフトやシステムのお話


電算写植編集機サイバート「SAIVERT-H202」。作るのにも時間がかかったそうな


この日の昼食は近くのファミレス「ちヽや」で。さすがに皆さん疲れ気味

以上。
非常に充実した2日間でした。
皆様おつかれさまでした。
勉強会を企画されたえむさん、
勉強会のために写植室を開放してくださった亮月さん、
写植機の使い方を教えてくれた大石さん、
ほか参加した皆様おつかれさまでした。

また、写植室に行きたいな…

※肖像権、著作権の問題がありましたら西尾(@tonybin メール)までご連絡下さい。
表現には配慮したつもりですが、名前の問題、顔写真、語句の間違いなどもすぐに対処します。

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